前回はこちら 壁一面の本棚をDIYで!(04) -組立編1-
さて、板は買って切ってもらったし、ネジ頭問題も方針が決まりましたので、進めましょう。
本棚1個分でも、結構な分量と重さがありますね。
フルサイズの家具で、しかも乗っても壊れないほど堅牢になるので、その代価と思いましょう。
ある程度組みあがれば重たくはなりますが、持つところが多いので、力仕事というほどの局面には遭遇しません。(自分以外の人手は不要です)
側板に線を引こう
すでに設計を終え、棚板の位置が決まっていますので、その寸法で「側板」に線を引きます。
間違ったときと、要らないところを消せるように、および位置精度的に細い方が良いので「0.5のペンシル」を使います。
板は木目などの美しさから(透明ニスで仕上げる場合は特に)、前後や上下、内外を決めておきます。
そして背板を貼る小口など(完成したら見えなくなるところ)に上下、内外を書いておきましょう。側板・棚板すべてにです。
棚板の位置線は、(当たり前ですが)側板の内を向く面になります。
ポイント
- これで棚板の位置が決まってしまいますので、側板2枚の「同じ位置」に線を引かねばなりません。
- そして本棚の奥行き方向も棚板が水平でなければなりません。つまり側板長辺に対して90°でなければなりません。
- これらに誤差が生じると、棚板が水平でなくなり、本棚全体にも変な応力が残って、平行四辺形になり、本棚が垂直に立たなくなるかもしれません。
などと脅しておいてなんですが、実は簡単に解決します。(しかも省力化でもある)
「清く正しい本棚の作り方」の組立編で教わったのですが、ちょっとびっくりするくらいすばらしい。
1. まず1枚の側板にだけ寸法を、ちょんちょんとつけていく(寸法取りはこの1回だけなので、間違わないように正確に!)ちょんちょんは背面になる小口に延長しましょう。
2. 側板を2枚並べ、対面の側板にちょんちょんを移す(背面小口→内壁)
3. ちょんちょん同士が外を向くように側板を並べる(側板を壁に押し付けるなどして、ずれないように配慮する)
4. ちょんちょん同士を直線で結ぶ。 なに?ちょんちょんに届くほどの長い定規が無い?うちにも無いです。
サブロク板から切り出したなら、きっと端材がありますね。それを定規に使いましょう。
これで棚板の位置は決まりました。
5. ネジ穴位置にしるしをつける。これはネジ頭をどうするかによって、板のどっちから開けるかが変わります。
木栓を使用するなら、側板の外面になります。(つまり棚板の位置の線と逆の面)
それ以外の工法なら、棚板の線と同じ面です。
それと棚板1枚にネジは4本(1辺2個)ですが、バランス的に板の幅1/4, 2/4, 1/4位でいいでしょう。(例)
木栓を使用する設計だけ表裏の位置がずれる可能性がありますが、きちんと採寸しておけば大丈夫でしょう。
本棚の積み重ねと、横の連結(これもネジ止め)
天井まで届く設計の壁一面本棚ですので、本棚は積み重ねますし、2個目以降は本棚どうしを連結します。
この上下・左右を連結する手段は何通りもあるでしょうが、私は「木ねじ」です。
建築金具を使って、それが見えるのもヤだし、なんせネジだけで済むなら安上りです。
木ねじですます方法は
「壁一面の本棚をDIYで!(03) -買い出し編-」
で説明しました。
材厚は(パイン集成材を使うなら)18mm×2=36mmなので、突き抜けないように3.8×32mmにします。
なおこれら連結は、木栓やパテ埋めはやめましょう! 引っ越しやレイアウト変更時に分解出来なくなります。
「壁一面の本棚をDIYで!(04) -組立編1-」で説明した、ネジ頭落とし込みが最良と思います。
本を詰めればネジ頭は見えませんし、本へのダメージもありません。
縦の連結 : ネジ3本で止めます。たぶん強度的には2本でも4本でも問題ないと思います。
横の連結 : 私は10段の本棚に縦方向7個のネジで止めました。もっと減らしてよかったかもしれません。
隣の本棚と隙間ゼロ、小口のずれゼロで締まります。
これで棚板の位置、ネジ穴の位置が全て板に描かれました。
側板の穴あけ
では側板のネジ位置に穴を開けましょう。最初はおっかないです。(すぐ慣れますし、修正不能なほど失敗したら、そのサイズ+αの板だけ買ってリトライすればいいですね。サブロク買うより安いです)
まあ失敗しませんよ。端材で練習してもいいですね。私は新しいことを試すときよくしてます。
繰り返しになりますが、木栓を使用するなら、側板の外面に線が引かれています。以下それを前提に書いていきます。それ以外の工法は、前の記事を参照に適宜読み替えてください。
1. センターポンチで円の中心を打つ。(この工程を端折るなら、次の工程で木工ドリル先端のとがったところを円の中心に当てる)
2. φ10ドリルで板厚(18mm)の半分まで掘る。ドリルストッパー必須です。φ10ドリルの先端から9mm位の位置で止まるようにしましょう
3. φ10の穴の奥はドリル先端の形状のまま、中心に凹みがありますので、次にφ4のドリルで貫通させます。貫通後、裏返して棚板の線の幅18mmのだいたい中心位に穴があれば成功です。
注意点は、「ドリルを垂直にして」穴を開けることです。斜めになると裏側でずれます。 本当はボール盤が欲しいところですが、日曜大工erには重火器すぎますかね?
なお、木工パテなど他の工法だと側板の内側(つまり棚板が付く面)からφ4のドリルだけでいけますので、ドリルガイドを使えばまあまあ垂直です。(まあまあ)
穴あけ終わりましたか?なんとなく大きなカラーボックスのようになってきましたね。
棚板の穴あけ
さて、これでいきなりネジ締めというわけにはいきません。棚板の方にもドリルで穴を開けます。
側板はネジがかからないφ4のバカ穴でしたが、棚板の方はしっかりネジが効いてもらわねばなりませんのでφ2にしましょう。
棚板にこの下穴がないと、ネジの進む方向が定まらず、棚板表面から飛び出したりします。
棚板も位置(上から何番目)とか上下・前後を決めておきます。
そして棚板を壁か何かに当てておいて、側板の線と棚板を正しい位置に合わせます。(Tの字に置く)
側板のバカ穴にネジを差し込んで、板同士の位置をぴったり合わせたところで、こつんと金槌でネジ頭をたたきます。
すると、棚板にネジ先端の位置が記されます。
このやり方は現物同士で位置合わせするので、多少ネジ穴をずれて開けてしまっても、誤差を吸収してしまいます。
そうやって全ての棚板にこつんと印が打たれたら、棚板を束にして、一気に下穴を開けましょう。一撃です。
仮組
仮組は大切です。
「あれ?棚板が線と1mmずれとる・・・」よくあります。でも大丈夫(ある程度は)。
すでに全ての板に必要な穴が空いてますので、いったん接着なしで仮組(ねじ止め)してみましょう。
チェックポイント
上記のように棚板がずれているのを発見したらどうするか?棚板をゴンゴン叩いて位置補正できたらOK。本番(接着時)もそうすればよろしい。
それでも直らなかったら?側板のバカ穴を大きくします。φ5~φ6は全然OKです。
仮組して垂直に立っているか、棚板と側板は90°かチェックしましょう。
今までの段取りがうまくいっていれば、自ずと垂直になります!
測定は「サシガネ(L字の直角定規)」とか「下げ振り錘」とかありますが、それほど神経質にならなくてもいいでしょう。(完成後でも、下敷きの調整で何とかなります)
ここまで工程が進んだら、みんなが思うでしょう。「あれ?結構これ(仮組)だけでもう頑丈だ」
ネジの締めあげ力と摩擦力に感嘆したら、次は接着です。