本棚

壁一面の本棚をDIYで! (02) -設計編-

  1. HOME >
  2. 本棚 >

壁一面の本棚をDIYで! (02) -設計編-

前回はこちら  壁一面の本棚をDIYで! (01)

では、壁一面本棚の具体的な設計に入りましょう。

1. 材料の選定

何の板で作るかは、初期に決めておきましょう。材料によって板厚が決まっていますので、実際の寸法を決める(設計)の要素になります。

先に紹介したサイトの例
「清く正しい本棚」は「シナ合板(シナベニヤ)ランバーコア材」の材厚t=21mmですね。
「壁一面本棚」は「パイン集成材」で材厚はt=18mmです。

私は以下に説明する特徴から、「パイン集成材」としました。

外観 特徴

シナ合板

シナ合板 構造:芯材の両面にシナ材の薄い板(ベニヤ)を貼ったもの
ラワン合板に比べ、表面が荒くないので、塗装が楽◎
木目が美しい
切断面はベニヤの層が見えるので、不透明塗料での塗装前提。
(断面に小口テープを貼ることも可能だが、本の出し入れで剥がれるかも)

パイン集成材

パイン集成材 構造:幅3、4cm位の板を貼り合わせたもの
無塗装、無処理でもいけるくらい美麗な表面◎(でもニスは塗りましょう)
木目がシナ合板より美しい(主観)
切断面もきれい(小口テープ不要)

※材料の説明はじめると進まないので、詳細はググって(;^ω^)

選定の際、私は棚板に木目を残したかったのでパイン集成材にしました。
それと、本棚に本を詰め込んだ後、本棚で一番見えるところは、板の厚さ(つまり切断面、小口)となりますが、その切断面も綺麗ですね。
パイン集成材に透明ニスで仕上げすると、たいそう綺麗です。

本棚としての耐荷重はどちらも十分でしょう。お好みでどうぞ。

2. 寸法の決定(高さ・奥行き方向)

まず本棚を置きたい場所の天井までの高さを測ります。
意外と天井までの高さはまちまちですので、数か所で測りましょう。

これから作る本棚は、それより数ミリ小さくします。きっちりだと設置できませんよ。

これで本棚の全高が決まりました。
次はそれをどう配分するかですが、これは今現在の蔵書から比率を計算します。

冊数ではなく、物理的な占有率で行きましょう。
今の(市販の)本棚で、雑誌(大)が幅180cm、雑誌(小)が100cm、ハードカバー本が200cmとか。
あるいは棚板単位で3枚分が雑誌(大)、2枚分が雑誌(小)、4枚分がハードカバー本とか。
これをもとに棚板のピッチと、そもそも何段にするかを決めていきます。

本棚を並べない、または棚板の位置が隣とそろってなくていいなら、さほど神経質にならなくていいです。

ハカマ

本棚の最下段にはハカマ(台輪?)を設けましょう。最下段の上げ底です。見た目がよくなるし(これがないとカラーボックスみたい)、掃除機やつま先などがうっかり本に当たるのを防ぎます。

ハカマあり

とはいえ本だけでギリギリ寸法の時は、ハカマを略したこともあります。

ハカマなし

実際の設計

私の例です。

高さ寸法

部屋の天井までは2405mmありましたので、本棚の全高は2400mmとしました。
これを上下二段を組み合わせた本棚にします。

本は意外と異なるサイズが多いので、分類をむやみに細分化しないほうがいいですよ。 それとあまり攻めた寸法でキツキツにしないほうがいいでしょう。

私の場合、文庫、新書版、B6版までを同じピッチにしました。B6=182mmなので、棚の高さは187mm。他も同様。

本棚CAD1

奥行き寸法

前に紹介した「壁一面の本棚」のアイデアが素晴らしいので、マネします。
下に大きい本、上に小さい本、それぞれの奥行きを最適化して、カウンター状の段差を設けます。

カウンター

下に大きい本を入れるのですが、(数冊しかない特殊なサイズは無視して)手持ちの本の横幅最大は237mm(A4変形)でしたので、奥行き250mmとします。
上の段はハードカバー、コミック、文庫などを入れます。こっちは170mmとします。この差がカウンターになります。

本棚CAD2

これで天井まで10段の本棚となりました。

この辺の寸法は足し算引き算だけですので手計算で可能ですが、たっぷり試行錯誤するなら表計算ソフトがいいでしょう。(EXCELとかOpen Officeとか) 同様に図面も直線だけですので手書きで十分ですが、CADのほうが楽だったりします。

3. 寸法の決定(幅方向)

幅方向は高さ・奥行きよりも決めるのは簡単です。
考慮する要素は、カットする前の材料のサイズと本棚を置く場所の幅です。

カットする前の材料のサイズ

シナ合板もパイン集成材も、サブロクというサイズにしましょう。
3尺×6尺でサブロク。910mm×1820mmです。つまりだいたい畳サイズ。
板は小さいほど単価が割高になりますので、サブロクからうまいこと端材を余り出さずに切る(切ってもらう)とコスパが良くなります。

ただし「んじゃ、棚板1820mmにするよ」というのは止めましょう。本の重さできっと真ん中がたわみます。つーか、組立と塗装行程でかなりいろんな向きにしますので、その寸法無理ですね。

現実的には1820mmからならば、棚板幅900mmを2本か、600mmを3本ですね。
私の作例では大体600mmで作っています(上記図面参照)が、大きくてA5コミックまでのヤツは900mmも実績あります。

本棚を置く場所の幅

置く場所が広い場合、複数の本棚をつなげて置きましょう。
その時全部の本棚を等間隔にするか、最後の1個の本棚の幅でだけ調整して、残りの本棚は上記の合理的な900mmか600mmにするという手があります。
私は後者です。

4. 木取り図

ではサブロク910mm×1820mmから切る寸法を決めましょう。

そういえば書いていませんでしたが、板は買ったところ(ホームセンターなど)で切ってもらいましょう。逆に言えば、切ってもらえるところで買いましょう。パネルソーで、ものの数分で切ってもらえるはずです。 だから「ノコギリ(手ノコ)でうまく切れないんだよねー」などの心配無用です。 難しくないと書いた最大の理由がこれ。

集成材は長手方向に強度がありますので、棚板は必ずその方向にそろえましょう。

サイズと段数にもよりますが、私の例では全材料がサブロク1枚にはおさまりませんね。

1. その場合、2枚目のサブロクの残りは、次の本棚の棚板等に回すという手があります

本棚板取図2

2. または、パイン集成材はいろんなサイズを売っているので、ちょうど良いのから(あまり端材が出ないように)切り出す手もあります。

本棚板取図1

ノコの刃の厚み分が「おがくず」となって消えます。寸法合計がサブロク910mm×1820mmを超えないよう配慮しましょう。(板と板の間は3~5mm消えてなくなる計算で)

5. 背板

背板の機能はもちろん、押し込んだ本を受け止めるのですが、それ以外に「背板がなければ本棚は平行四辺形にゆがむ方向に弱い」です。
カラーボックスを背板なしで組んだらどうなるか想像してください。

平行四辺形にゆがむ

とはいえ、板厚18mmが何段もがっちり止まっていますので、背板がなくても実際には上図のようにはなりませんけどね。

背板は本棚外寸から全周1mm程度小さめにします。上段・下段本棚に各1枚です。
材料は安価なラワンベニヤでいいでしょう。私は厚さ4mmにしましたが、2.5mmでもよさそうです。

これで設計は完了です。

本棚展開図

次は材料を買って切ってもらって、加工して、組立です。

買い出し編へ続く  壁一面の本棚をDIYで!(03) -買い出し編-

-本棚