前回はこちら 壁一面の本棚をDIYで!(03) -買い出し編-
いままでの結構長い説明でDIYらしい作業が何もなかったんですが、やっとこの工程で日曜大工的な作業に入ります。お待たせしました!
でも実際に組み立てる前に、どうしても決めておかなければならない問題があります。
それは・・・
ねじ頭をどうするか問題
棚板は「木工ボンド」と「木ねじ」で止めるのですが、ネジ頭をどうするかいくつかの選択肢と、それに伴う作業量の差があります。当然加工法も変わってきますので、ここで決めましょう。
途中変更不可です。
①ねじ頭丸出し (何もしない) |
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②ねじ頭を落とし込む (ねじ頭が入るところを浅く掘る) |
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③木工パテで埋める (不透明塗料で塗るならこれでよい) |
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④木栓で埋める (透明ニスで木目を残すなら、これがおすすめ) |
解説:①ねじ頭丸出し
パイン集成材は硬いので、ねじ頭があまりめり込まず、ねじ頭が凸になるのでおすすめしません。(本棚を並べるとスキマが生じます)
一番簡単な加工法ですが、他も難しいわけではないので手を惜しまずもうちょっと工夫しましょう。
解説:②ねじ頭を落とし込む
ねじ頭が入るところをあらかじめ浅く掘ります。掘りぬいてしまわないようにドリルストッパーまたはそれ相当の工夫が必要です。
なお、本棚同士を並べて接続する面は、どうせ本を詰めたら見えなくなるのでこの処理でOKです。
工法1
φ10mm深さ2, 3mmの穴を先に開けます(要ドリルストッパー)。掘った穴はセンターにドリル中心の穴があるので、さらに4mmの貫通穴をあけます。
工法2
上の方法は、実は私はしていません。ドリルガイドとドリルストッパーのパーツとドリル長がシンデレラフィットでちょうど良い穴が開くという幸運のためです。これは持ってる道具次第なので一般的ではありませんが、一応書いておきます。
ドリルガイドがあるので、ずれませんので順番は4mm貫通穴を先に開け、φ10mm深さ2, 3mmの穴をその後に開けます。
φ4mm貫通穴の上からφ10mmのドリルで、ねじ頭落とし込み用の穴(皿取)を作ります。
工法3
皿取錐 3.5×10を使って一度にΦ3.5の貫通穴とΦ10の座グリ穴を開けます。 皿取錐を買わねばなりませんが、これが一番簡単。
解説:③木工パテで埋める
ねじ頭が落ちていることが前提なので、上記②(ねじ頭を落とし込む)の作業が必須です。また穴が浅くてねじ頭の上の木工ボンドが薄くなると、剥がれる可能性がありますので、ねじ頭が板の面より数mm凹んだ状態にしましょう。
この工程を選ぶなら、木工パテも必要になります。
ステップ
- 木工パテは乾くとやせるので、凸になるように塗ります。
ヘラが付いていますが、うまく塗れないときは指で形を整えてもいいでしょう。(指を少し水で湿らせると、指にはほとんど付きません)
- パテが乾燥するまで24時間放置します。
- パテが乾いたら紙やすりで木工パテの凸を削ります。(これ、びっくりするほど平面が出ますよ!)
紙やすりは、120番→240番→320番のように荒いものから徐々に変えていきます。
紙やすりの長手方向は28cmなので、7cm幅で4等分します。これを棚板の端材に巻いて平面を作ってやすりをかけます。
紙やすりの切断は一発で刃先がダメになるので、カッターナイフで切りましょう。そのあとは(先端が削れているので)ポキッと刃を折って新品にします。
切った紙やすりはクリップや洗濯ばさみで束ねておくといいですね。
【失敗談】
有益な情報と思いますので、ここで私の失敗談を説明します。
私の最初の本棚は、この「③木工パテで埋める」で作りました。
木工パテの タモ白という色は、新品のパイン集成材にとっても近く、パテを塗った跡がほとんどわかりません。実にいい工法と思ってました。
ところが!たとえ透明ニスをたっぷり塗っていたとしても、あるいは何も塗らなくても、木材はいい感じに飴色に変わっていきます。新品の本棚より、数年経過した本棚の方がいい色になるんです。(使い込んで育てた革製品と同じ感覚です)
これに対して、パテのタモ白の色は何年たっても変化しません。
そのため、最初は目立たなかったパテの部分が、白く浮き出てきます。
これが不透明な塗装なら問題ありませんが、パイン集成材を透明ニスで仕上げる場合は、次に説明する「④木栓で埋める」をおすすめします。
解説:④木栓で埋める
ねじ頭を木栓で埋めます。これが本命です。手間は生じますが、難しさはゼロですよ。
以下概要の説明です。
ねじ頭を落とし込み、そこに木栓をするので、②(ねじ頭を落とし込む)と作業は似てます。
ステップ
- φ10mm深さ約9mmの穴を先に開けます(要ドリルストッパー)。掘った穴はセンターにドリル中心の穴があるので、さらに4mmの貫通穴をあけます。
- ねじ締め
- φ10mmの木栓に木工ボンドを塗布し、穴に打ち込む(はみ出たボンドはふき取る)
- はみ出ている木栓をノコでツライチに切って、軽くやすりをかけて完了
なお、ここで木栓の材料をどうするかで選択肢が生じます。(DIYは選択肢だらけですね)
- 市販の木ダボを使う。
- 木の丸棒を切って使う
- パイン集成材の端材から、埋木錐で切り出す(結論:これがおすすめ)
1.木ダボも2.丸棒も材料はパイン材ではないので、木の種類が違うのと、棚板と繊維方向が違うので、ちょっと目立ちます。「あえて」これ、というのもアリです。
3.埋木錐で切り出すのは、同じパイン集成材の端材から、繊維の向きもそろえて切り出せますので、埋めた時の自然さ、目立たなさは最大です。
埋木錐を持ってなければ、買う必要がありますが、その価値はあります。
最後に、埋木を板とツライチに切断するにはノコギリを使いますが、「アサリがない」ノコを使います。(安いので買っておきましょう)
普通のノコの刃は先端のギザギザが左右に振った状態です。これは切断幅を大きくして、ノコの動きをよくするため、および切りくずをつまらないようにするためです。
しかしこれでは木栓をツライチに切ることはできません。
そのためにはそれ専用のアサリがないノコギリを使います。
さて、これでねじ頭をどうするか問題の説明は終わりですが、もっとも大変そうな「木栓」でも、難しくありません。ちょっとの手間で見た目がたいそう良くなりますので、これから作る人、これにしましょう。いや強制ではありませんが。
次回は板に線を引いて穴をあけて組立です。(やっと!)