酒とは日本酒のこと。
レマコムとは酒を冷蔵と冷凍の間の温度に保つための冷凍庫。
変な食器棚とは、酒器その他を収めるためだが、以下に述べるやむを得ぬ事情により、市販品ではありえない変な設計で作った食器棚(DIY)のこと。
なんのこっちゃ? はい、説明します。
長くなりますので、4回に分けます。
酒と、レマコムと、変な食器棚(1) -設計編- ←いまここ
酒と、レマコムと、変な食器棚(2) -組立編-
酒と、レマコムと、変な食器棚(3) -管理編-
酒と、レマコムと、変な食器棚(4) -とことん楽しむ-
あぁ、晩酌が至福すぎて、ブログ更新する時間も作りがたい・・・
・・・という葛藤を抱えつつ、酒への愛が冷めやらぬうちに(いや冷酒が常温に戻らぬうちに)、レッツ・ゴー。
日本酒って、こんなに旨かったんだ!
『フレッシュ』『フルーティ』『ジューシー』『まるで完熟果実を丸かじりしたような』
そんな感じに形容される日本酒(地酒)の一群があります。
それらを飲んでびっくりしました。もうね、その通りなんですもん。
そしてそれらは「生酒に多い」気がする。
- 酒屋で「常温の棚」に並んでいる日本酒は「2回火入れ」といって、搾った後と瓶詰後に加熱して、酒の中の酵母の活動を止めていますので、安定しています。常温保存がOKな酒です。
- 酒屋で「冷蔵庫に入っている」のが、主に生酒。火入れしておらず酵母の活動を止めていないので、常温では発酵がどんどん進んでしまい、意図しない味になります。(普通は悪い方向に)
そのため、生酒は酵母の活動を止めるために、低温保存が必須となります。これは「鮮度」という、得難い特徴とのトレードオフです。
※詳しくは日本酒の解説サイトなどをぐぐっとくれ。
よって、あれもこれも呑んでみようと、生酒を複数本買ったとき困難が生じるのです。
普通、冷蔵庫は冷やさねばならぬ食材で一杯で、四合瓶や、ましてや一升瓶を(できれば立てて!)置くスペースなぞありはしないのです。
家庭用冷蔵庫の問題点
もう一つ問題があって、酵母の活動を完全に止めるには-5℃が望ましいということらしいのだが、家庭用冷蔵庫(と野菜室)は+5℃位、冷凍室は-20℃位になってます。
日本酒にとってちょうどいい温度が無い。
+5℃は高過ぎ。
そしてアルコール(や糖類など)が入った水は、その度数に応じて氷点が下がるが、-20℃では日本酒は間違いなく凍る。
前述の通り、立てて入らんし。う~ん。
それで日本酒セラーやら、何かそれ相当のいいモノはないかいな、と物色していたんですが、ワインセラーは多いけど、日本酒用はあまりないなぁと。
しかし、いくつもの同好の士というか先達の皆さまのサイトで「レマコム」という言葉をやたら目にすることに気付きました。
たとえばこんな。
レマコムと私/クリーミー大久保さん https://note.com/00kub0/m/m502194712927
『レマコムの三温度帯冷凍ストッカー』を買う
レマコムの三温度帯冷凍ストッカーは大変良さげです。いいじゃんこれ。
業務用。
上述の「レマコムと私」を筆頭に、たいへんな説得力でもって説き伏せられ、私にはもはや買わない選択肢が存在しないまでとなりました。
これ。レマコム冷凍ストッカー三温度帯タイプ https://www.remacom.com/shopdetail/000000001675
いいところ
- 温度調整範囲が広い(三温度帯=冷凍・チルド・冷蔵)。調整幅が-20℃~+8℃。よって-5℃でも問題なく保存可能。
- 扉が上開きなので、冷気が逃げにくい(冷たい空気の方が重いから)
- ガラス戸ではないので、酒の天敵・紫外線が当たらない
- すごい大容量。一番小さい100Lタイプで一升瓶16本。または4合瓶25本が全て立てて入る。さらにまだ上方には余裕があり、寝かせるならさらに数本追加可能。
場所塞ぎだ、電気代だ、とのたまう妻を説き伏せ何とか購入にこぎつける。(100LタイプRRS-100NF)
レマコム代も酒代もこっち持ちで、妻にも晩酌提供という、圧倒的不利な条件にて快諾をいただく。
その後、酒代の約半分は家計から捻出されることとなり、この不平等条約は若干解消したことも申し添えておく。
いまいちなところは妻の弁の通りなのですが、もう一つ付け加えると、上記の通り業務用なので、家電リサイクル法の埒外になり、(遠い将来)破棄するときは産業廃棄物扱いになるという点は、何かのために述べておきます。
で、買ってどうだったか。
結論 : 控えめに言って最高です。
「変な食器棚」の設計
レマコム三温度帯冷凍ストッカーRRS-100NFの寸法はW554×D578×H866 mm。
小さくはないですね。
扉が上開きなので、その上方の空間を開けておく必要もあり、そのままではデッドスペースです。
酒器も増えてきたので、レマコムと酒の近くに食器棚を置きたいな~。
庫内灯も無いので、夜は暗いな~。
などと考え、んじゃレマコムの上にDIYで食器棚を作っちゃおうと思い立ちました。善は急げ~。
設計に際して考慮したこと
- 冷凍庫からの排熱のため、背面は壁から10cm空ける
- 上開きの扉と干渉しない
- 材料費を安くするためサブロク1枚でおさまらないかな?
で、こんな感じの図面が出来た。サブロク1枚の使用率ほぼ100%で無駄がない♡
で、大急ぎで申し上げておくと「これはたいへん悪い例」になってます。
何が悪いかというと、上の方(食器棚の部分)は棚板と背板でモノコックになっていて堅牢だが、長~い脚で立っておりそれに対して何の補強もしていないからです。
たぶんこんな感じで、ぐらんぐらんするに違いない。
こんな変な設計初めてなので、どの程度使えないのか未知数。
最悪の場合はワイヤーとターンバックルで筋交いを作れば何とかなるかな?試しにどの位ぐらんぐらんするかやってみようと決心。(結局、使い物にならないくらいぐらんぐらんになったが、解決策は筋交いではなかった。この話は次回)
あと、食器棚なので、ホコリ除けと美観のため「ガラス戸の引戸(スライド)」にします。
ガラス戸はDIYの守備範囲ではないので、専門店にオーダー。
私の持っている「ガラスカッター」一本では、どうにもなりそうもない。
それと最大の理由はガラス戸の引手加工(指をかける窪み)。これは素人DIYでは不可能。
専門の業者に頼みましょう!
お願いしたのはここ。
オーダーガラス板.COM https://www.order-glass.com/
製品の仕上がりもたいへん良くて、輸送時の取り扱いなどに配慮された丁寧な梱包でした。
引手の加工、切断面(厚さ)の研磨、糸面取り(稜線)がたいへんきれいになされています。
左:切断面の研磨と糸面取りがきれい / 右:透明すぎて見えないがガラス戸が1ミリの隙間もなく嵌っている。
【ガラスの寸法】
作例の場合、開口部が幅600×高さ418mmです。
ガラスの幅は引戸の重なり部分を40mmにするので320mmになります。
高さは、レール次第ですが、私の場合-6mmがちょうどよいので、412mmです。
よって幅320×高さ412×厚さ3mm(引手加工+全周 磨き加工付き)を2枚にしました。
むっちゃ丁度よかった。
ガラス戸のレールはホームセンターで。
アルミ製と樹脂製がありますが、清潔感のある「アルミE型レール」にしました。(上用と下用があるので注意。当然両方必要)