コードレス掃除機(スティッククリーナー)のスタンドの「作成」と「改造」のお話です。
数年前にDysonの掃除機用にスタンドを作って、今回マキタ用に改造しました。
DIYはこういう自由度も高いですね。
- 2019年 Dyson V10用に作成
- 2025年 マキタCL286FD(サイクロン一体式)用に改造
という経緯がありますので、順に説明します。
Dyson V10用に作成
Dyson V10に付属の「収納用ブラケット」は、なんと「壁に木ネジで止めよ」という何とも辛い仕様。
掃除機をそのブラケットにさせば、壁に固定され勝手に充電状態になるのは良いんだけれども。
でもね、置く場所は移動するかもしれんし、買い替えるかもしれんし、家の壁に穴はあけたくないなぁと思った次第。
先達の知恵をググったところ、DIYで自立するスタンドを作り、壁ではなくそれに収納用ブラケットを固定するという作例が、あるわあるわ。そりゃそっちの方がいいよ。
それらにリスペクトしつつ、良さげなアイデアを拝借して私もDIYで作ることにしました。
昔のこととて寸法など参考にさせていただいたサイトのURLが不明となってます。
以下の設計に思い当たる人がおられましたら、私の感謝は特にあなたに向かってですとご承知ください。
金銭などは出ません。
それで、Dyson V10をスタンドのブラケットにさしたら床から少しだけ浮いて釣り下がるという最適寸法になるように(上記を大いに参考にして)設計しました。
付属品のノズルやらアダプターやらも、スタンドに置けるようにしています。
外観はこんな感じです。
そしてDysonはヘッドやら何やらオプションてんこ盛りですが、このように丸棒をDの字に削ると、付属品の赤いボタン部パイプ内径とぴったりなります。
たいへん収まりがよろしい。
こちらも。
図面はこんな感じ。
材料は使い慣れたパイン集成材(t18mm)にしました。
板取図はこれです。1820×300mmの板から、比較的余材なく取れました。
(⑤の板だけ足りませんが、以前の木工の端材を流用しました)
立体的に描くとこんな。
展開するとこうです。部材間に引いているマゼンタ色の線がネジ止めするところです。
自分で切るより精度がいいので、ホームセンターのパネルソーで切ってもらいました。
穴あけは自宅でドリルです。
●組立
組立に難しいところは無いです。
板は木工ボンドの接着+ねじ止めです。
見えるところのネジは「木栓」で目立たないようにします。
φ10の穴を材厚の半分まであけ → ねじ止め → 木栓打ち込み(接着) → ツライチで切断です。
この辺は本棚ブログを参考にしてください。 壁一面の本棚をDIYで!(06) -組立編3-
底板、背板などは、ネジ頭が凸にならないように座ぐりで落とし込みます。
充電器のコードは見えないようにスタンドの裏を通しますので、充電器直下の目立たない位置に穴を開けます。
付属品のノズルやらアダプターをさす部分は、ホームセンターで買ったφ30mmの木の丸棒です。
前述の通り、これをDの字に削ると、赤いボタン部のパイプ内径にぴったりです。
現品にペンシルで線を描き、そこまで削ります。カンナ、ノコ、やすりなどで。
今回は家庭用ということで、装飾を追加。ネコのシルエットをベニヤ板で作っています。
2.5mm厚のベニヤ板はカッターで容易に切れますので楽です。
輪郭にちょっとヤスリをかけて丸みをつけます。
ステインで着色すると、ベニヤ板の安物感が若干薄れますし、パイン材が白っぽいので、ワンポイントとしていい感じになりました。(主観)
同じく家庭用なのでと思って、角を落として丸く仕上げました(R加工)。
もうひたすらやすり掛けです。最初は60番(たいへん荒い)位から始めないと、無限に時間を要します。ワッシワッシ行きましょう。
最後にニス塗りです。ステインを塗ったネコ部も一緒に塗り上げます。
ここも本棚ブログを参考にしてください。 壁一面の本棚をDIYで!(07) -塗装編-
これで完成。
そうやって作ったスタンドは、5年を経過するも特に傷んだところもなく、結果的にダイソン本体よりも長生きだったので、以下に説明する第二の人生を歩み始めました。
(木工DIY作品って、私より長生きしそう。ホント)
マキタCL286FD(サイクロン一体式)用に改造
5年ちょっと活躍していたDyson V10が壊れました。
では次に何を買おうと検討した結果、マキタCL286FDにしました。ダイソン同様サイクロン式です。
マキタCL286FDは「フローリング床のゴミ吸い込みが強い」といった、良いレビューを散見しました。ウチはフローリングなのでよい選択に思えます。
それとコードレス掃除機の宿命「やがてバッテリーが劣化する」問題があります。晩年のDyson V10もバッテリーはヘロヘロでした。
マキタの良いところは、
- バッテリー脱着がワンタッチであること(本体内蔵や、ねじ止めではない)
- 安価で良い互換バッテリーが豊富にあること
- 電動工具屋さんの製品なので、ヘビーデューティである(かも。これは期待値)
それで、マキタCL286FDにしました(色はなんとオリーブ)。それに性能・品質が良く安価という神コスパの互換バッテリーWaitleyの18V, 6.0Ahを2個(バッテリー残量がパーセント表示!)。それに同Waitleyの充電器を購入。
この布陣で次の数年間を過ごす予定。
着脱が簡単なバッテリーが2個あると、使用中にバッテリーが切れたら、満充電済みのヤツと交換して続きができるという利点がありますね。
そもそも18V, 6.0Ahというのが、 スティッククリーナーとしては容量が大きい方ではないかな。
また、将来バッテリーが劣化してきたら、それだけ買いなおせばよい、と何だかいいことずくめな気がして。
では、マキタ用への改造の手順の説明です。
●スタンドの改造
ダイソンのための部材を外します。
要らないのは収納用ブラケット、充電ケーブル、付属品のノズル固定用のDの字に削った丸棒、です。(下図の赤)
丸棒は木工ボンド+ねじ止めだったのですが、ネジを抜き丸棒を叩いたら、パイン材よりも木工ボンド接合部の方が強くて、パイン材棚板が少しえぐれた感じになっちゃった。おそろし。
ダイソンはブラケットで吊った状態で収納でしたが、マキタは立てかけることにしたので、掃除機本体下のパイプ部の左右にストッパー、それとヘッド先端が滑らないようなストッパー、この2点を追加することでお手軽に設計は完了。
丸のこやらジグソーで外形を切り抜いて、グラインダーとやすりで角を大いに丸めます。
マキタをこのパーツで支えるので、掃除機を置くときに目立つようにステインで着色しました。
●充電器もスタンドに取り付け
Waitleyのマキタ互換充電器もスタンドに取り付けると1ヶ所で管理できますので、そうしよう。
それに際し、問題点が2つあったので、以下の方法で解決しました。
問題点
- 充電器は床置きタイプで、壁(つまりスタンドの垂直面)に付くようになってない。
- 100Vコンセントに挿す電源コードが、充電器の側面から出ている(ので配線を隠せずカッコ悪い)
解決策
- 充電器の上下ケースは4か所のねじ止めなので、ネジを外し(ゴム脚も取っ払って)長いネジで「スタンド」「下ケース」「上ケース」を一気止めにする。そのため充電器ネジ位置ぴったりにスタンドに穴をあけます。
- 上記の充電器ネジを外して分解したついでに、充電器下ケースに穴をあけてそこに電源コードを通します。スタンドに空いている充電ケーブル用の穴は流用します。その穴が隠れるように充電器を固定します。
それから、充電器にON/OFFスイッチが無いのでコンセントに挿したら通電しっぱなしになります。それはヤダ。
かといって充電するたびにコンセント挿すのも面倒です。
充電器は買ったとたんに分解しているので、既に補償も何もあったもんではないので、気前よく電源コードを途中で切断し、トグルスイッチをつけました。それをスタンドに固定して充電器の電源ボタンにしました。
裏側はこうなっとります。
●その他
Dyson時代のダメージ、上の丸棒跡は、掃除機本体下のストッパーで隠れるのでOK。
下の棚板は、ここをバッテリー置き場にするので、「すべり止めマット」を敷く。これが丸棒跡の目隠しも兼ねることで丸棒跡は全て解決です。
完成状態はこんな感じに。
自己満足ですが、なんかいい感じになりました
自作スタンドがダイソンとともに破棄にならず良かった。
それと自分で作っているので、改造するときに何もかも判っている(ので応用も効く)というのがDIYの利点の一つかな。
あ、そうそう。今回の改造は全部、過去のDIYの端材で足りたので、材料費は0円でした。
(私の休日が丸1日潰れた以外は)
END