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ゲームコクピットをDIY(1) -設計編-

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ゲームコクピットをDIY(1) -設計編-

コクピット01

コクピット(アニメ)

ゲームといえばレースゲーム。それ以外に何が?

とっても昭和な、昔のお話。
私がまだ児童と呼ばれる歳だったころ、日本中がスーパーカーブームに湧いた。
1977年、夏。
その大波の直撃に完全に呑まれた私は、何十年時が過ぎても、その時のまま「車」と「運転」が大好きなおっさんとなり果てました。
(それがもう半世紀前の話なのか!・・・と遠い目になる)

その短期かつ、とても強固な条件付けには、「人にも刷り込みがあるってことですね、ローレンツ先生?」と聞きたいくらい。
いや、知らんが。

でもブーム到来時に私はやや子供過ぎたので、読んだマンガは定番のサーキットの狼ではなく、すがやみつる先生の『マシン刑事999』(テレビマガジン連載)でした。よってオレンジのポルシェ934は今でも大好物。

マシン刑事999
こんなの。

そんな子供がおっさんになっても、やはり好むのは「レースゲーム」でした。
そしてゲーム機付属のコントローラーでは「臨場感が無い、運転した気にならん」とワガママを言うガキおやじでもありました。

初めて買ったハンコンはPS2用のLogicoolのGT FORCE。これがGran Turismo 3の頃。
ブラウン管テレビの前にガラステーブルを置いてハンコン固定。窮屈な座椅子に座って何時間でも、若い活力を無駄使いしていたのです。
調べたら何と、2001年発売。
ふたたび、ちょっと遠い目になる。

昔のコクピット

(じつはまだ持ってる。 放置ともいう)

GT FORCE

 

昔ばなしが過ぎましたね。
それで、今のハンコンというかコクピット(笑)はこんな感じに。(SUS社のSFフレームがベース)
ちょっと隔世の感があるが、実際に世が隔たっているので仕方がない。

コクピット後ろから T300ハンドル01

 

ポイント

これの良い点

  • 比較的安価なのに、ガッチガチの高剛性です。ペダルやハンドル操作でビクともしません。
  • 椅子、ハンドル、モニターの位置(調整範囲)がとんでもなく広いんです。どんなポジションにでも設定できます。
  • それは工場のオートメーション化という産業の基幹で鍛え抜かれたSUS社のSFフレームが「神設計」だからです。

 

悩んだところ

世にはレーシングコクピットの既製品があります。
それらも安価な割にすばらしいとおもいつつも、剛性不足の懸念だったり、体格に合わせたポジションの調整幅が小さそうだったりで、ポチる手前でためらっておりました。

そしたらば、レースシムガチ勢の先達の記事を読んで「これだ!」と。

先達のサイト (ユーケー様、ありがとうございます)

https://groovy-clutch.blogspot.com/2012/01/sus-racing-simulator-cockpit.html

https://groovy-clutch.blogspot.com/2015/03/sus-racing-simulator-cockpit-2015.html

たいへん示唆に富む、有益な記事でした。
よってほぼパクリです。大いに参考にさせていただきましたので、似ているのは当然ですので、以下を読んで「まんまやん」と言わないでほしい。(切望)

 

コクピットの簡単な紹介

  • フレームはSUS社のSF(アルミ構造材)。SUSは社名で、ステンレスの事ではないのでややこしい。前述の通り材料はアルミである。工場の自動機などのフレーム用途(つまり産業用)で、大変品質と美観がよろしい。

SFフレーム

注意ポイント

SUS Online Store(ウェブサス)は、法人及び個人事業主が対象ですので、該当しない方は購入のハードルが少々高いかもしれません。
そこでどうにもならない場合でも、別ルートで購入、または類似品の購入など、何かの手段はありますので調べてください。

  • シートとレール(スライド)は車用の本物。やる気満々のフルバケットシートにしてみた。シートベルトはSabeltの4点式。運転中1ミリも動かないのに、それが要るのかは問うてはいけない質問である。

Sabelt_01

  • 画面は悩んだ。3画面でドライバーを囲むようにしようかとも思ったんだけど、1画面+ヘッドトラッキングを採用。モニターは31.5インチ。

TRACKIR

  • 音はコクピット周りに小さく5.1chを構築。PCまたはPS4からHDMIでAVアンプを経由すればサラウンドできる。

サラウンド01

  • シートに振動ユニットをつけて、ボディソニック化。5.1chのサブウーハー出力を2つに分け、一方を中華アンプ経由で振動ユニットに。これが効果てきめん。シートがズンズン・ビリビリして悶絶。

振動ユニット

ブロック図を載せておきましょう。

ブロック図

図中PSVRがあるんだが、主題と関係ないのでさらっと説明。
ハンコンThrustmaster T300 はPCとPS4に対応しているので、USB切替器で両方を同時接続していたのさ。
グランツーリスモのVRモードをこのコクピットで体感したら、美麗な全方位かつ3Dの映像の臨場感たるや!って感じでよかったのよ。だって、振り返るとリアガラス越しにライバル車が見えるんだ!ほぼ本物だ。
VRショールームも素敵。綺麗な車をいつまでも眺めていられる(どの方向からも)!
と、それはそれは素敵な時間をすごすのだが、その後、時間制限の厳しいヒーローみたいになる。
リアルがゆえに脳と三半規管の情報不一致が如何ともしがたくなり、30分以内に乗り物酔い(VR酔いか)でしんどい事になる。・・・というあんばいで、健康なうちに止めなければならない。

 

コクピット・フレームの設計

上述の通り、先達の設計がすばらしいので、ほぼ踏襲させていただきました。
ありがとうございます~

SUS社は、親切にも専用3D CADが無償で使えるので、それを使えば間違いがないでしょう。(習熟にもさほど時間はかかりません)
私が設計・発注した時はUnit Designというソフトでしたが終了し、現在は「apdXアルミプロダクトデザイナー」となっています。

図面はこんな感じ。apdXアルミプロダクトデザイナーの習熟がてら、新たに描いてみた。

3D_CAD図

部品表(パーツリスト)です。

No. Item No. 品名 A寸法 加工番号 数量
1 SFA-007 フレームキャップ4080(ブラック) 6
2 SFA-034B フレームキャップN4040(ブラック) 6
3 SFF-424B SF2-40・40 ブラック 300 QCS 2
4 SFF-424B SF2-40・40 ブラック 500 2
5 SFF-424B SF2-40・40 ブラック 500 QCW 3
6 SFF-434B SF2-40・80 ブラック 500 QCY 2
7 SFF-434B SF2-40・80 ブラック 1000 QCV 2
8 SFF-434B SF2-40・80 ブラック 1500 2
9 SFK-A05B アングルブラケットL40ブラックキット 14
10 SFK-B65 回り止付ハードブラケットLGブラックキット 4
11 SFK-Q40A QCジョイントL40キット 8
12 SFK-Q43A QCジョイントL80キット 6
13 SFB-004 TナットL(M8) 適宜

なおシートの固定や、シートベルト(要るなら!)のアイボルトの固定やらにTナット(SFフレーム用のナットSFB-004)が要ります。数量は設計次第なので適宜としています。
単価は安いので多めに買っておいてもいいでしょう。

(このリストにはホームセンターで買えるボルト類は含んでいません)

SUS社と無関係のバケットシートやらハンコンやら棚板は無いので、アバウトな図も別に書いて検証しておきましょう。
シートや人の着座姿勢の寸法は適当ですが、SUSフレームのジョイントはどこでも止まる自由度の高いものです。調整幅はたいへん大変広いので、この程度の作図で問題なしです。

コクピット略図

フレーム同士の接続はQCジョイントを多用しています。
これはフレームとフレームをばっちり直角に固定できる優れものです。フレームの溝を利用して、どこでも固定可能です。
イラストの黄色い部品が、ボルトを締めあげるとフレーム同士を引き寄せ、強固に固定します。
※QCジョイントは現在デザインが変わっています。写真は旧タイプです。

QCジョイント  QCジョイントイラスト

モニターの固定かつハンコンの土台となる大黒柱的なツインタワー根元は、一番応力がかかりそうなところなのでQCジョイント+ブラケットで固定しています。

ブラケット

美観のため黒のアルマイト処理を奢っていますが、フレーム断面は銀色のままですので、プラのキャップをかぶせます。エッジでケガしない目的も兼ねます。

キャップ前 キャップ後

これでガッチガチな高剛性のフレームの出来上がりです。2025年12月現在、8年使い込んで耐久性も何も問題ありません。

全体のイメージ、部品配置はこのアニメが分かりやすいでしょう。

 

フレーム以外ですること

フレームの設計が終わってもまだ途上です。上にもちょっと書いたこれらのことを次回以降に説明します。

  • 椅子をどうするか?
  • ハンドルとペダル、シフトは?←これは私の場合は木工です。ここだけちょっとオリジナリティあり。
  • モニターの固定(VESAマウント)
  • 走行中に左・右・後ろに視線を動かせるように「ヘッドトラッキング」
  • サラウンド環境(アンプ&スピーカー&サブウーハー)
  • 椅子がビリビリしびれるほどの振動(ボディソニック)

では、今回はこの辺で。

次回につづく

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